2.蒟蒻と肥満
摂取された過剰な栄養は、ご存知のように、中性脂肪などに変わって
脂肪細胞に蓄えられます。これがたくさん蓄えられた状態がいわゆる肥満
です。蒟蒻粉の食物繊維(コンニャクマンナン)は、体内でゼリー状になり
,この肥満の元、中性脂肪を包み込み体外に排泄する働きがあります。
このとき同時にコレステロールも排泄されます。(粉から作られた市販製品
では、残念ながらこの効果はありません)ですから、
蒟蒻で満腹感を得て過剰な栄養摂取を押さえるという、
いわば消極的な肥満防止効果だけではなく、とった栄養中の脂肪を排泄
するという積極的な肥満防止効果もあるわけです。健康に悪いと思い
ながらも美味しいものは、ついつい食べ過ぎてしまいます。ですが、蒟蒻を
同時に取れば、その弊害も比較的軽微に押さえられるわけです。
3.蒟蒻と各種成人病
問題は便秘や肥満だけではありません。血液中に中性脂肪とコレステロール
が増えすぎた場合を、高脂血症といいます。
これが動脈硬化・高血圧・糖尿病・胆石・痛風をもたらすことは多くの研究で
わかっています。「蒟蒻と肥満」のところでご説明したように、蒟蒻マンナンは
中性脂肪とコレステロールを抑制する効果があるわけですから、
こうした一連の怖い病気を予防する効果もあるわけです。
動脈硬化は、血管がもろくなって破れたり詰まったりすることですが、
これは心筋梗塞や狭心症を引き起こします。糖尿病は一度なってしまうと、
死ぬまで食餌制限をしながらつきあわなければならず、いろいろな
合併症が怖いやっかいな病気です。糖尿病の予防策は、
血液中の糖分=グルコースの
濃度を下げてインシュリン濃度の変化を
抑制することです。
実は、コンニャクマンナンはこのグルコースの吸収を
遅らせることで、インシュリン濃度の上昇を抑制するらしいのです。
激烈な痛みに耐えなければならない胆石の正体のひとつが、
コレステロールで有ることはご存知でしたか?
多くの人が高脂血に無自覚!
2001年3月10付『上毛新聞』に次のような
怖い調査結果が報道されました。抜粋して紹介します。
.....男性は30代から女性は50代からのほぼ2人に1人が、
中性脂肪が高く生活習慣病につながる「高脂血」状態にあり、
それを自ら認識しているのは、30%程度に過ぎないことが、厚生労働省の
1999年国民栄養調査でわかった。肥満、高血圧、高血糖について
自覚に乏しい実体が浮き彫りになった。調査によると、20代からの
幅広い年代で無意識に脂肪をとりすぎており、大半が健康のため脂肪摂取
を適量にと考えているが、食品選びに必要な知識を持っているのは
男性で30%、女性でも約50%。.....「高脂血、肥満、高血圧、高血糖は
『死の4重奏』とも言われるのに、健康状態と認識にこれほど
ギャップがあるとは....」男女とも生活習慣病の危険がありながら、
大半が無自覚であるとの国民栄養調査結果に
、厚生労働省の担当者は驚きの表情を見せる。
同省は「こうした高血圧や肥満などの状態は、病気ではないため、
やだちに治療が必要ではないが、生活習慣病とのグレーゾーン。
食生活などをきちんとしなければ、手遅れになる危険がある」と警告する。
詳しい事が知りたい方は社団法人、農山漁村文化協会発行
(健康食こんにゃく)をお読みください。
著者.辻啓介/辻悦子/根岸栄